【地方営業マンは、周囲の人間関係から攻めよ】

紹介
最初は
「何しにきたの?忙しいんだけど!」
なんてツンケンしていたお客様が、
商談を進めるとガンガン話をしはじめて、
仲良くなってしまう。
地方で営業をしていると、このような変化が
往々にして起こるのですが、その変化のきっかけには
ほとんど必ず、ある法則があることに気がつきました。

それは、「周囲の人間関係」です。
お客様と繋がっている人間と1人でも多く知り合いである、
もしくは深く知り合いであればあるほど、
お客様が心を開く可能性が格段に高まります


公式化してしまうと、以下のような方程式でしょうか。

初対面でのお客様からの信用度=
お客様との相性+(共通の知り合いの数×共通の知り合いとの関係の深さ)×2


お客様と共通の知り合いがいなければ、その知り合いとの深い関係も作れないため、
それぞれが0になりますので、初対面での信用度を高めるためには、
相性が合うかどうかに大きく左右されます。
また、お客様が懇意にしている知り合いと、
自分も濃い関係を作ることができていれば、
それがたとえ1人であっても、初回接触においては大きなアドバンテージになります。

この公式のミソは、
共通の知り合いの数と関係の深さの方に、『×2』がされていることです。
特に2である理由はないのですが、伝えたかったこととしては、
自分自身が表現する印象よりも、
お客様との共通の知り合いとの繋がりの広さと深さをアピールする方が、
はるかに初対面での信用を勝ち取れる
」ということです。

逆の立場になってみても納得です。
以下の例を考えてみてください。

仮に、保険のセールスマンがいきなり家にやってきたとします。
話を聞く事となりましたが、正直、気は乗りません。
清潔で爽やかな青年で、話は聞きやすそう。
しかし、それは営業だからこそで、本当の心は分からない。
早く追い返そうと考えていたのですが、そのセールスマンが、
自分の親友であるA君とB君と学生時代の知り合いであることが分かり、
話が弾む。
すると、その親友2人もそのセールスマンを信用し、保険に加入しているという。
その話を聞き、「その2人が入るくらいだから、いい保険なのかもしれない」
そう考え、話を詳しく聞こうと思うようになりました。

・・・どうでしょうか?リアルに想像できる話ではないでしょうか?

この話も、さきほどの公式に当てはまります。

清潔で爽やかな、話が聞きやすそうな印象を持ち、
相性は良さそうと感じながら、まだそれだけでは心は開きませんでした。
その後のA君・B君という、自分の知り合いとの繋がりとその深さ
(保険にまで入っている)を知ったことで、俄然興味を持ち始めました。

このように、1人の営業マンとして、清潔感や爽やかさなどの基本ができており、
相性が合いそうだと思っても、それだけでは話を聞きたいと思いません。
自分が信用を置いている人間からのそのセールスマンへの関わりの広さと深さが、
自分から見たセールスマンへの評価に大きくリンクする
のです。

地方にいけばいくほど、お客様の人間関係は狭く、密接に結びついています。
その輪に入れない限り、いくら良い商品でも、話を聞いてもらう土台にさえ立つ事ができません。
よって地方営業マンが普段から取り組まなければならない行動は、以下2点。

【1】常に、人間関係を広げる努力を続ける事
地方は、今会ったその人が、知り合いに繋がっていることが多々起こりえます。
よって、勉強会でも、町中の居酒屋でも、スポーツサークルでも、
新しい方と知り合いになれるよう、積極的に働きかけることです。

私は福岡の営業時代、土日は時間があれば街に出かけ、業界勉強会に参加したり、
自分で勉強会を開催するなどして、業界内での交遊関係作りを行っておりました。
そこで繋がった方々とは、今でも仲良くお仕事をさせていただいております。

【2】常に、お客様の人間関係、交遊関係をヒアリングする事
お客様の仕事上の付き合い関係からプライベート上の関係まで、
そのお客様に関わる人間関係は、できるだけ聞くようにしましょう。
もしそこで知った方が新しい取引に繋がる場合は、
そのお客様に「『〜様からのご紹介でご連絡しました』と
お話しをしてもいいでしょうか?
」と許可をもらいましょう。
その許可があれば、初対面のお客さんでも
〜さんからの紹介なら安心」というお墨付きをもらうことができ、
最初の接触が非常に楽になります。

私が福岡の営業だった社会人2年目に、新しいエリアである広島を開拓するために、
この「紹介」「人間関係」を積極的に活用しました。
まず、その業界で長く勤めてらっしゃるお客様のところに頻繁に顔を出し、
商談はなおざりにして、1時間でも2時間でも話を聞きました。
広島エリアにおける、会社ごとの立ち位置や評判、人間関係などを
つぶさに伺い、それを全てメモしました。
そしてそこから、お客様の紹介で新しいお客様と会わせていただく。

会わせていただいたお客様と飲みに行き、
さらに深く業界やエリアのことを教えていただく。

次に、発注をいただいたお客様の会社名をお取引一覧表にまとめ、
〜さんのところもやってるんだ!なら、いいサービスなのかもな!」という印象を与え、
新規のお申込を後押しする。

これをゴリゴリ続けた結果、半年間で広島エリアのお取り引き業者様を、
業界4位から2位まで伸ばすことができました。
そのお客様のほとんどは、後任に引き継いだ今でも、
お付き合いをさせていただいております。


地方営業で結果を出すためには、自分が頑張る事もさることながら、
お客様の人間関係の中に自分を結びつけるという努力も
非常に重要になる
と、私は考えております。
逆にお客様の人間関係の輪に入っていくことができず、
交遊関係を自分の世界だけに止めてしまっていた営業マンは、
私が知る限り、どんどん業界を去っていきました。

私を含めた本社からの転勤組は、
この部分で、一度大きく壁にぶつかってしまうように感じます。
営業マンとして基礎ができ、商品知識も十分。
しかし、地方では結果を出せないのには、
この「お客様の人間関係に踏み込む」という点が、
大きな壁になると考えています。

1人の人間として、営業マンとして、基礎はできているはずなのに、
なかなか結果を出せないとお悩みの方はいらっしゃいませんか?
もしかすると、今回の「お客様の人間関係の輪に入る」
という取り組みが、有効になるかもしれません。

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プロフィール

ほーけー

Author:ほーけー
はじめまして。

「新卒向けの本」
「営業マンとして結果を出すには」
というような本は本屋にいけば
溢れていますが、
「地方の営業マン」向けの書籍は、
私が知る限りは見たことが
ありませんでした。

だからこそ、そんな地方配属の
若手営業マンの考え方や行動の
指針を提案し、刺激をしあえる
環境作りをしたいと考え、
「若手の地方営業マンコンサルタント」
として、社会人4年目の今年から、
活動をしています。

主に、仙台や福岡、広島、大阪などの
地方都市に勤める若手向けに、
研修を実施したり、会社を超えた
交流の場を提供しています。

このブログは、その地方営業マン
としての「考え方」「営業手法」
に関して、私自身の経験を元に、
研修の中で話をさせていただいて
いる内容を書いていきたいと思います。

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