【地方営業マンは、帰省時には町中を歩くべし】

地方営業マンの中には、
転勤・単身赴任などで本社から派遣された方もいれば、
出身は別エリアでも結婚・親の都合など、
訳あって今は支店・営業所がある
今の場所に住む事になった方もいらっしゃると思います。
かくいう私も、神奈川の小田原という町が生まれ故郷ですが、
社会人一年目の8月から福岡転勤になったので、
福岡とは何の地縁もありませんでした。
そんな「外様組」は、お盆や正月になると、
一時実家に帰る方も多いかと思います。
その時に、皆さんは何をしているでしょうか?
懐かしい友人と会う方もいるでしょうし、
せっかく帰ったのだからゆっくりしようと、
家や近所の喫茶店で思い思いの時間を過ごす方もいるでしょう。
私も実家に帰ると思わずダラダラしてしまいがちなのですが、
そんな様々な過ごし方の内、
ある地方営業マンから聞いた話を紹介させていただきます。
その方は出身が私と同じ神奈川なのですが、
地方から帰省をしたときにはできるだけ、
地元や東京の町を歩き回るようにしているそうです。
地元や東京を歩きながら、
ご自身のお仕事に関わる関わらないを問わず、
最新のトレンドは何か、どんなものが人の目を引くのかなどを
チェックするそうです。
そうして得た最新のトレンドや気になったものを
地方に持ち帰ることで、
それがその地方の次のビジネスチャンスになると
考えているそうです。
この話を聞いて、私はすごく「ハッ」としました。
確かに、地方にいけばいくほど、
都会でトレンドとされているものがまだ知られていなかったり、
少し遅れてから流行る事が多いと感じていたからです。
ある例をご紹介いたします。
私は福岡時代、不動産広告の営業マンをしていたのですが、
当時不動産の広告は折り込みチラシ・フリーペーパーなどの
紙媒体がほとんど効果が出なくなっており、
不動産会社も集客にほとほと困り果てていました。
そこで、東京本社の主導で販売を始める事になった
「うちわ広告」を、案内しました。
しかし最初は「うちわなんて、みんなもらったらすぐに捨てちゃうよ」と
相手にもされませんでした。
そこで、「うちわを、ご家庭のポストに投函しましょう」と提案しました。
理由は以下です。
まず、九州は6月梅雨明けから9月くらいまで暑い日が続くため、
比較的長期間、うちわを使ってもらいやすいと考えました。
次に、よくよく話を聞くと、うちわ広告を嫌がる理由として、
花火大会やスーパー前などで配られても、途中で荷物になり、
帰り際に捨てられてしまうことが懸念であることがわかりました。
そこで、普通にチラシを新聞に織り込んだり、
チラシと一緒にポストに入れてもそのまま捨てられてしまうという
現状を共有した上で、うちわをポストに投函すれば、
すくなくともチラシと一緒に捨てられる事はなく、
「うちわ」という機能そのものに価値を感じて手にとり、
そのまま自宅に入れる。
そして自宅の中では机の上など手の届きやすいところに
置かれる事が想定され、
家の中にいるときのちょっとした時に使われるので、
外に持ち出されて捨てられる事も少ないのではないかと
考えました。
このような話をお客様にしたところ、
「確かに。じゃあ、やってみようか」ということになり、
発注を頂く事に。
しかもさらに嬉しいことに、こちら納品をしてお配り頂いた後に
効果測定をしていただいたところ、
うちわ広告経由で契約者が2名も出たというご報告をいただきました。
広告営業マンとして、諦めずに提案をし、
先方が想定していなかった効果を出す事ができたことは、
個人的にすごく嬉しかったのを覚えています。
・・・しかし、この例でお伝えしたかったことは別にあります。
それは、うちわ広告をポステイングするというのは、
都会の不動産営業マンであれば
当たり前のようにやっていることだということです。
福岡では目新しく映ったのですが、
東京では当たり前のように行われている。
こんな例は、おそらくもっともっとたくさんあるのだと思います。
だからこそ地方営業マンは、チャンスなのです。
東京や地元で当たり前のように行われていることが、
地方ではそのままビジネスチャンスになりえるのです。
ただ勘違いしてはならないのが、
頭ごなしに「こんな方法が東京では流行っているので、やりましょう」
と言われても、簡単に受け入れてはくれないということです。
地方は基本的に外部の人間を排他的に見る傾向があるので、
地方独自の人間関係やその地域地域の課題や実情を理解しないことには、
何も始まらないということです。
このブログでも何度も紹介している通り、
「地方は人」ということですね。
その「人」に自分が近づいていく。
そして課題や実情を理解し、そこに新しい提案を紹介する。
こうしてやっと、ビジネスチャンスが生まれるのだと私は考えます。
帰省や出張などで違うエリアに滞在するチャンスがあれば、
1時間ほどで十分ですので、
ぜひ町中を歩いてみてみることをおススメいたします。
・・・一方、そんな私も、実家に戻ると、飼っている猫が
すり寄ってきてめちゃくちゃかわいいので、
猫と遊びながら時間が過ぎていく日がよくあります。
ゆっくりもほどほどにしつつ、時間があれば町に出るように
意識したいですね笑