【地方営業マンは、マニュアルを作りましょう】

地方営業マンは、本社営業マンと比べ、
圧倒的に少ない人数で大量の仕事をまわしているケースが多々あります。
そうすると、その業務を遂行することに手一杯となるため、
自身の仕事方法や考え方を文字におこす時間がなかなかとれません。
しかしそんな中、新人が入ってくると、非常に大変なことになります。
自分が仕事をするのに精一杯な中、
自分の代わりに説明してくれるマニュアルが存在しないため、
口頭と行動で一から説明しなくてはならなくなります。
そうすると、「聞かれたときに教えればいいや」と
考えてしまいがちなのですが、
聞かれたときに教えるというのは、
実は非効率的なことが多いのです。
例えば、コピー機のコピーの取り方が分からない新人がいたときに、
そのコピーのやり方だけを教えていませんか?
それでは、次にFaxはどう送ればいいか、紙の補充はどうやればいいかなど、
コピー機の使い方に関していちいち質問が飛んでくる事が十分想定されます。
そこで、コピーの取り方を聞かれた時に、コピーの取り方を教えた後、
すぐに「業務で使用する、コピー機の使い方全般」のマニュアルを渡してしまう。
そうすれば、コピーの取り方を理解した新人は、
他の機能もコピーの取り方を応用してマニュアルの通りにこなせばいいと推測できるため、
いちいち先輩の仕事を中断させて質問をすることがなくなります。
これが1人ならばまだいいですが、2人以上となると、
業務に大きな支障を来します。
それを防ぐためにも、マニュアル作りは非常に重要となります。
営業活動においても同様です。
地方営業マンは、「独自の方法・人脈」で仕事を獲得しているケースが多いため、
その方法が社内に残らないと、次の新人が同じ成績を上げる事ができなくなってしまいます。
しかし、自分の営業活動の方法は、感覚値で行っていることが大半のため、
いざ人に1から説明しろと言われても難しいものです
だからこそ、マニュアルを作るコツとしては、
普段から自分の業務・営業活動の方法を、
小さなナレッジとして部署に共有することをおススメします。
うまくいった事例などは、
自分の営業ノウハウを反映している事例ということでもあるため、
それをその都度まとめ、共有することで、
自分の仕事のやり方をナレッジとして可視化し、
蓄積することができます。
その蓄積したナレッジを繋ぎ合わせることで、
「マニュアル」が完成します。
私も2年半の間福岡で営業をした後、
2〜3週間という短い期間で後任に仕事を引き継がなければならなかったため、
その引き継ぎ作業には以下のように取り組みました。
① 社内活動(お客様に関わらない業務。コピー機の使い方など)
② 社内活動(お客様に関わる業務。申込書の作成方法など)
③ 社外活動(数字に関わる業務。営業スケジュールの作成・提案書など)
④ 社外活動(お客様への提案方法・トーク)
大まかに業務を上記の4つに分け、その内の①②は短期集中で1〜2日で口頭にて。
④は実際に見て聞いていただくしかないため、
同行中に都度。結果、③をできるだけマニュアル化したものを渡しました。
完璧にとは言えませんが、なんとか短い期間で引き継ぎを終える事ができました。
しかし、今ふりかえると、
①②や④も、もっとマニュアル化することができたのではないかと、
後悔することがあります。
営業として強い会社は、「共有」の文化を大事にします。
社員のナレッジを共有することを推奨し、
それを評価として組み込むこともします。
たとえばリクルートは、ナレッジ部門という表彰を毎年行い、
社員の模範となる優れた行動を体系化させ、それを表彰するという制度を取っています。
「スーパー営業マン」の方法を体系知として残すことを奨励することで、
組織としての強さを保っているのですね。
マニュアルを作るということは、
自分の思考や方法を整理する、いい機会になります。
なぜ、自分は売れるのか、売れないのか。
その法則を理解することで、感情やタイミングに左右されない、
安定的に数字を作れる営業マンに近づいていくことができます。
そしてそういう営業マンが上司になると、
部下の成長も早くなるのではないかと、私は考えます。
・ ・・そんな一方私も、いまだに
「お前の行動は再現性がない」
と上司に起こられる毎日です。
なかなか、難しいものですね。(泣